紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所
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 メールマガジン 第22号

           (2008年6月4日号)
 
 紀伊半島の環境保全と地域持続性ネットワーク
 会員の皆様、日頃、当ホームページをご覧いただきありがとうございます。
 東海地方は先日梅雨入りして、雨模様の天気が続いています。

 今日、津市榊原町の榊原池を見に行ってきました。ホームページの一読者から、榊原池の水位が異常に下がっていておかしい。生物の保全に影響があるのではないかという連絡が先日入ったためです。確かに、水位が非常に下がって、なおかつ、放水も続いていました。地元で聞くと、ため池の底に穴が開いて水漏れが激しく、夏の渇水期に水が確保できなくなるので、今のうちに、水を抜いて穴の場所を探し、穴をふさぐ工事をするとのことでした。

「ため池データベース」は、津市のため池を市民がウオッチングして、保全していくのに役立てばと思い作りましたが、これからもため池の環境保全に関する情報をお待ちしています。

 さて、前号(4月30日号)から今日までに新たに掲載した記事は次の通りです。

1) 「本の紹介」で今回は宇江敏勝著「森のめぐみ 熊野の四季を生きる」を取り上げました。著者は、南紀州の山奥に鎮座する大塔山系に源を発する5つの河川の上流から下流までを丹念に歩き、そこに住む人々の暮らしと自然について愛情を持って書いています。文章が平易で、描写が具体的なので、読者は情景を思い浮かべながら、著者と一緒に山里を見聞している気持ちになります。日本の原風景がそこから読みとれます。

 森のめぐみ

2) 「紀伊半島の巨木を訪ねる」で三重県紀北町紀伊長島区の長島神社の大クスを掲載しました。海岸と山の間に家が建ち並んだ漁師町の背後の丘に長島神社があり、石の階段の脇に大クスがそびえています。長島神社の大クスなどの照葉樹を中心とした暖地性植物群落は、県の天然記念物に指定されています。

 三重県紀北町紀伊長島区長島 長島神社の大クス

 また、昨年9月に紀伊半島では最大であろうとされている三重県御浜町引作の大クスの主枝の1本が基部から折れるという新聞報道がなされていたので、今回立ち寄ってその状況を見てきました。幹にまで影響が及ぶような大きな損壊でした。主枝の末梢の枝は切られて搬出されていましたが、主枝はそのままで、本体の保護のためにこのままでよいのか樹木医などのご意見が欲しいところです。

 三重県御浜町引作のクスの巨木

3) ため池の観察を続けていますが、今回は、三重県津市にある2つのため池(大沢池と一身田新池)の水質、特に、透視度の季節的な変化をグラフで表してみました。ヒシが異常繁殖する大沢池の水質が気になって測定を始めました。ため池の透視度は、ため池によって、また、季節によって大きな違いがあることが分かります。透視度は透明度と同様に、おおざっぱな水質の調査方法ですが、コストをほとんどかけずに水質をウオッチし続けるのにはよい調査法だと思います。

 ヒシの繁茂するため池の水質

 ため池の水質の悪化は、特にアオコの発生によって水生生物が死滅したり、悪臭が発生した場合に深刻となります。両方のため池は、これまでに生物調査もしてきた所です。もう暫く毎月1回程度測定を行い、上記のグラフに新データを付け加えていく予定です。

4) 津市のため池5カ所で、 トンボの調査をしていますが、昨年調査が不足していた4月から5月の調査を行いました。昨年観察できなかった3種類が新たに観察され、これまで野外写真のなかった 5種類のトンボ(イトトンボを含む)の写真を掲載しました。また、今年の調査結果を踏まえて、文章を書き換えました。併せて、紀伊半島のトンボのレッドリストについての文章も書き換えました。

 トンボの写真集

 紀伊半島のトンボのレッドリスト

5) 現在の松阪市小野江町に生まれた幕末期の蝦夷地探検家松浦武四郎が書き、描いた文書や絵1503点という膨大な文化遺産が、文化審議会によって国の重要文化財に指定するように文部科学大臣に答申されました。魅力有る品々は、松阪市小野江町にある松浦武四郎記念館に所蔵・展示されています。

 松浦武四郎の関係資料1503点が国の重要文化財の指定を受ける予定

6) トップページの写真を貼り替えました。今回は、熊野市の海岸風景で、獅子岩と七里御浜海岸に揚げられた、たくさんの鯉のぼりの風景写真です。初夏のさわやかな薫風に鯉のぼりが元気良く泳いでいます。前の津市美杉町の三多気の桜は、「トップページに掲載した写真集」に移し解説を加えました。

 トップページの写真

 これまでにトップページに掲載した写真集

 (2008年6月日 主宰者より)

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                        2007年8月31日   主宰者より